《1007》 タバコにやられた! [未分類]

近藤誠先生は抗がん剤と手術に原因を求めておられます。
私は、医療の不確実性とタバコが原因であると思います。
一致するのは放射線治療の余地があった、という点です。

50歳以上、男性、タバコ、酒、の4条件が揃うと、
食道がんと、相場は決まっています。
勘三郎さんは全部揃っていました。

話がそれますが、そのような芸能人は沢山おられます。
サザンの桑田さんも4つ揃っていました。
ただし彼の場合は、完全に過去形です。

先日の年越しライブの中で「タバコは数年前に止めた、
そして、食道がんの手術後は酒も1滴も飲んでいない」
とカミングアウトされていました。

さて、勘三郎さんの手術後の家族への説明の中に
「肺の大きさは普通の人の3分の2程度」という
記載があります。(AERA 12月13日号)

これは何を意味するのか。
単純に言えば、肺が縮んでいたということです。
肺活量も、少なかったのでしょう。

通常COPD(肺気腫)になれば、肺の1秒率が低下します。
1秒間に肺から吐きだせる空気の量が、少なくなります。
COPDが重症になれば、1秒率のみならず肺活量も低下します。

すなわち勘三郎さんはタバコによるCOPDになっていたのでは。
最終的に「二酸化炭素が出せなくなった」という担当医の説明も
COPDの存在を連想させます。

胆汁を含む胃液の嘔吐で誤嚥性肺炎を起こして、
その後、肺の機能不全(ARDS)が、命取りになってしまった。
その一連の経過の基礎にCOPDというタバコ病があったのでは。

タバコで食道がんになり、それは何とか乗り越えたものの、
タバコのCOPDが、最期まで響いてきた。
以上が、私の勘三郎さんの経過への見解です。

PS)

昨夜は、自分のクリニックで講演していました。
「尼がら連携の会」という勉強会で、終末期医療に
ついてお話をしました。

地域のケアマネさん、ヘルパーさん、看護師さん40名程度で
毎月、勉強会をしています。
後見人制度、生活保護、アルコール中毒などさまざまなテーマ。

これからは、地域の時代です。
自分の地域のさまざまな職種が交流して情報交換する場が、大切。
今日は「阪神ホームホスピスを考える会」で平穏死の講演をします。