《1008》 無謀な賭けではなかった [未分類]

近藤先生は「最初から無謀な賭けをした」と述べておられる。
しかし、私は「仕方が無い、許される賭けであった」と思います。
決して無謀であったとは思いません。

タバコが肺に悪さをしていたことは間違いないでしょう。
しかしそれを除けば、そんなに間違っていなかった。
抗がん剤治療も外科手術も、成功だったようです。

それでも、勘三郎さんは帰らぬ人になりました。

近藤先生は、抗がん剤と手術の両方ともを批難されています。
しかし私の見方は、大変申し訳ないが「結果は仕方がない、
医療とはそんなものです」としか言えないのです。

完璧なはずの手術や処置が、なぜか結果が悪いことがあります。
完全切除したはずのがんが、手術後間もなく再発して亡くなった。
逆に、確実に残ったはずのがんが、なぜかずっと再発してこない。

抗がん剤の量を間違えて沢山打ってしまったら(あくまで喩え話です)
副作用はあまり無くて、がんに著効してしまった。
逆に、ひとケタ少なく打ったのに、著効してしまった・・・

またゴルフに喩えたら、フェアウェイのド真中に
快心のドライバーショットを打ったのに、そこの行ってみると
デイボット(小さなくぼみ)の中に入っていた、のようなことも。

ゴルフは確率のスポーツと言われます。
医療も、確率の手技であると思います。
やってみなきゃ、結果は分からない。

【PS】
昨日は、大阪と尼崎で「平穏死」の講演を2つしました。
これから、週末はダブルヘッダーが続きまます。
まるで芸人さんのようにいろんな場所でお話をします。

何度話しても上手くなりません。
でも、そのうち上手くなるだろう、と気楽にやっています。
また、芸人じゃないので、下手でもいいだろうと割り切っています。

昔話をし始めたら研修医時代の看護師さんの顔が見えました。
知り合いがいたら恥ずかしいので、ちょっと話しにくいです。
今日も尼崎の公民館で、終活の話をしてきます。