《1014》 高いほどよく効くのか免疫療法 [未分類]

「がん免疫療法」と聞くと新しい治療法のように聞こえます。
しかしあの丸山ワクチンのように昔からあるものも免疫療法
免疫力でがん細胞の増殖を抑えようという治療法の総称です。

  •  ワクチン療法
  •  細胞療法
  •  サイトカイン療法、などに分類されます。

最近、注目されているのが、がんワクチン
当院の患者さんも何人か受けられました。
残念ながら、すべて過去形なのですが・・・

細胞療法には、樹状細胞療法や活性化リンパ球療法が
あり、在宅患者さんが受けられています。
目が飛び出るほど高額な医療費には驚くばかりです。

抗がん剤治療を受けながら、細胞療法を受けておられる
患者さんも何人かおられました。
それぞれの医療機関は、お互いに事情を知らないようです。

在宅医の私は、それぞれの治療を行っている事を知っています。
在宅でステロイドの点滴を受けながら、タクシーで、
抗がん剤や免疫療法に通われる方も結構おられます。

元来、免疫療法は標準治療を行ってから試す治療法ですが、
いきなり始めたり、内緒で併用されている方もとても多い。
免疫療法は、お金持ちには根強い人気がある治療法です。

免疫能を上げる方法として、手っとり早いのは、
補中益気湯や十全大補湯などの漢方薬や温泉療法です。
さらに、音楽療法や笑い療法や生き甲斐療法もそうです。

しかしお金に余裕があるひとは、免疫療法専門クリニックで
治療を受けられて、そうでない方は自力で免疫力を上げます。
お金をかけなくてもできる、さまざまな免疫療法もあります。

抗がん剤を中止して「やっと楽になれたね」と言ったら、
「いや先生、今度は免疫と闘います」という方がいました。
「免疫と闘う?」

闘ったら炎症が起きるのじゃないか?
そもそもがんの病態は炎症なのに、また炎症を起こすの?
心のなかでそう思いますが、黙って聞いています。

抗がん剤治療へのアンチテーゼとしての免疫療法に
行きつく方が少なくありません。
本人は、高い治療ほど効くと信じる習性があります。

【PS】
昨日は朝一で松山から帰阪して、在宅、外来、在宅でした。
とても寒い部屋で震えている高齢者が、何人かいました。
この寒さが早くおちついて欲しいとねがいます。

夕方から、東京で、在宅医療の勉強会でした。
京都の宇都宮看護師さんの退院調整の話を伺いました。
退院調整から在宅療養支援に、という意見も出ました。

今日は、これから西宮で講演が2つあります。
市民対象に、認知症詐欺に騙されない方法と、
医師対象に、平穏死って本当です!という講演です。