《1015》 がん免疫療法でUFOを思う [未分類]

私が診てきた免疫療法の患者さんを振り返ってみます。

私はこれまで2000人以上の末期がんの方を診てきました。
その中には、免疫療法を受けている方が沢山おられました。
おもにワクチン療法と細胞療法です。

その中で、これは免疫療法が効いているな?と感じた
患者さんは、残念ながら皆無でした。
がんペプチドワクチンでがんが消えた患者さんもいるそうです。

私も、ワクチン療法が効いた!と実感できる患者さんが
いないかといつも楽しみにしています。
しかし残念ながら、まだそのような人を診たことがないのです。

以上は私のつなたい経験談であり、科学的裏付けはありません。
免疫療法を受けた人は、100人にも満たないので数が少ない
のだろうと、考えています。

あまり効かないが、中には効く人もいるらしい。
どこかロマンティックでもありますが、
これが、私の免疫療法に寄せる想いです。

UFOを見た人と、まだ見ていない人の差かもしれません。
見ない人は一生見ないし、見る人は何度も見たという。
UFOと同じく、まだ未知の領域であるように思えます。

真面目に一生懸命、免疫療法に取り組んでおられる医師も
知っていますので、免疫療法の悪口を書きたい訳ではありません。
ただ、免疫療法に振り回されているのは事実です。

丸山ワクチンの接種も、細胞免疫療法の在宅点滴も
私たちはすべてボランティアです。
おまけに、彼らから情報提供も要求されます。

在宅医療費10円に文句を言っても、
100万円の免疫療法に文句を言う患者さんはいません。
私の交通費は無料でも、免疫クリニックにはタクシーで通院。

抗がん剤治療の医師とは密に情報交換できて、
相補うことが可能ですが、
免疫療法クリニックとはそんな交流はほとんどありません。
患者さんは、UFOにも似た未知との遭遇を期待しているのかな。

【PS】
日曜日も何人かの、末期がんの患者さんを往診しています。
彼らは、いわば抗がん剤治療の卒業生です。
先輩の話を、ビデオで撮っておきたい。

それを放映したら、日本の抗がん剤医療は大きく変わるでしょう。
しかし個人情報の関係で、それができないのがもどかしいです。
真実は、現場にあります。

現場とは、自宅。
すなわち在宅にあるのです。