《1017》 ラーメン屋でラーメンの味を聞いても意味がない [未分類]

もう少し、立花隆さんの著書から引用させていただきます。

実は、私がこれまでここで書いてきたことは、
立花さんの本にちゃんと書かれていました!
私は経験で書いて、立花さんは取材で書かれたのですが。

私自身が特に印象的だと思う小見出しを、拾ってみます。

  • あまりにちがう一人一人のがん
  • 粘膜は外敵と戦う主戦場
  • 抗がん剤は毒
  • 進歩した緩和ケア
  • 緩和ケア概念のパラダイムシフト
  • マクロファージの裏切り
  • 金のかかる代替療法
  • がんは血管を生みだす
  • がんに敗北しても人生では勝てる
  • 祝福としての死
  • 誰もが「見えないがん」をかかえている

これらの言葉を噛みしめるだけでもがんとの付き合い方の、
ものすごく参考になると思います。ご一読をお勧めします。
冷静かつ好奇心いっぱいに、がんの核心が記されています。

抗がん剤をやるべきかどうか?という相談が毎日のように、
全国各地から寄せられます。
私は「一般論ではお答えできない」とお答えしています。

がんはその人その人で違うし、その人の生き方で
がんとの付き合い方も180度変わってくるのです。
診もしないで単純にいいとか悪いとか、とても言えません。

ただ近藤誠先生には申し訳ないが、早期発見、早期治療は本当です。
がんと闘うというなら、がん検診という選択がベストだと思います。
問題は、再発したり、根治不能のがんと、どう向き合うか?です。

立花さんの取材では、世界の一流のがん研究者が、口をそろえて
がんが治る日はかなり先であろう、と答えています。
最短の学者でも20~30年はかかるだろう、と予測しています。

ですから「がんが治る」という誘い文句に騙されないことが大切。
「治る」ことより「どう向き合うか」が、がんという病気なのです。
ちょっと冷たいいい方かもしれませんが、冷静に考えることが肝要。

手術するかしないかでセカンドオピニオンを聞いて廻る方へ。
外科医にいくら相談してもしょうがない、と私は思うのです。
ラーメン屋に入って「ラーメンって美味しいですか?」と聞くのと同じ。

抗がん剤の専門家に、「抗がん剤をしたほうがいいですか?」と
聞くのも、それと同じことです。
「喫茶店に入って、コーヒー注文しないほうがいいですか?」と。

抗がん剤で治る可能性があるのは、悪性リンパ腫と急性白血病
と睾丸腫瘍くらいです。
あとは、全く効かないか、せいぜい延命治療程度なのです。

正確にいうと、延命どころか命を縮めている場合も多いのです。
それでもやりたい人は、抗がん剤治療を受ける自由があります。
そして、少しやってみて自分の意思で止める自由もあります。

一番大切なことは、医者任せにせず、自分の頭で考えること。
医者に任せておいて最期になって文句を言うのは筋違いです。
立花隆氏の書籍をよく読んでDVDを見て考えることが大切。

明日からは、抗がん剤との止めどきについて私が経験した
具体的な症例で考えてみたいと思います。

PS)
立花隆さんのDVDを見ていて、なんだか自分と似ていると
思いました。正直に書くと、自分自身を見ているような・・・・
知の巨匠を相手に、偉そうなことをいって失礼なのですが。

立花さんは、好奇心が旺盛な方です。
分かり易くいえば、「超知りたがり」。
実は私も同じなのです。

しつこいところも、似ています。私も相当です。
知りたいと思ったら、ジャンルを問わず猪突猛進。
それでいて死生観まで似ているから、本当に不思議です。