《1028》 開業医での「がん休眠療法」 [未分類]

Gさん(68歳、男性)は、胃がんが腹膜再発しました。
病院からの指示で、シスプラチンという抗がん剤を通常の
10分の1だけ、当院で、毎週点滴することになりました。

通常量の10分の1程度の量であれば、副作用はほとんどない。
がんを皆殺しにしなくても、共存できれば充分じゃないか。
そのような考えですから、「がん休眠療法」とも呼ばれます。

Gさんは普通の量ならイヤだけど、10分の1ならOKでした。
そうした外来治療が、3カ月ほど続きました。
最期は病院に入院され、そのまま旅立たれました。

がん休眠療法は、私自身、20年前からやっています。
勤務医時代もやっていました。
現在は、病院からの指示を受ける形でやっています。

効くか効かないかは、正直よく分かりません。
専門家の中でも意見が分かれているようです。
正直、「効いた!」と感じた患者さんはいません。

しかし「休眠」ですから、劇的な効果が無くても
少しでも利益があれば、それでいいのかもしれません。
最期まで「がんと闘っている」という満足感を覚える人も。

一般の開業医では標準治療はまず行えませんが、
「休眠療法」なら行えます。
患者さんが良ければ、それでいいと思いやっています。

【PS】
今朝は、某国営放送の人気ラジオ番組に出演。
「平穏死」と「胃ろう」のお話をしました。
もの凄い反響です!

たくさんのメールや電話を頂き、驚いています。
午前4時のこの放送を、こんなに多くに人が聴いているなんて・・・
まさか、と思っていましたが、人気番組は本当でした。

今日は、午前中は、京都で雑誌の取材です。
午後から、大阪で講演を2カ所でします。
今朝のラジオの話から始めたいと思います。