《1031》 認知症患者の抗がん剤治療 [未分類]

ホルモン治療は、狭義の抗がん剤治療に入りません。
そのホルモン治療を続けておられる患者さんの話です。

Gさん(84歳、男性)は、認知症と
前立腺がんで2年間、在宅医療を受けています。
在宅療養が幸いしてか、認知症はあまり進んでいません。

過食があるので、相当な糖尿病はあります。
家から出ることは一切ありませんが、
在宅療養を満喫されています。

前立腺がんのホルモン治療は、3カ月に1回
病院の泌尿器科で受けていました。
しかし通院を嫌がるため、当院に依頼されました。

経過は順調で、PSAの値はゼロをキープしています。
ホルモン療法が効いているのです。
実は、同じようなひとが他にもいます。

Hさん(80歳、男性)も、前立腺がんと全身骨転移が
あり、在宅医療を依頼されました。
Gさんと同様、ホルモン治療も依頼さえました。

HさんのPSAは3ケタですがホルモン治療を続けています。
骨転移の痛みに対しては麻薬を使い、劇的に改善しました。
がんの治療と緩和医療を、在宅で並行して行っています。

Hさん一家は、現在、沖縄旅行中です。
避寒を兼ねています。
帰阪したら、今度は、和歌山に旅行するそうです。

ホルモン治療は、在宅療養でも簡単にできます。
負担が無い割に、効果があります。
緩和医療と並行して行い、生活を楽しんで頂いています。

かなりの認知症があっても続けられる抗がん治療が、
ホルモン治療とも言えます。
高齢男性の在宅医療では、このパターンが増えています。