《1041》 別々に議論する病院の医師と在宅医 [未分類]

日本静脈経腸栄養学会で、金沢に来ています。
平たく言えばこの学会は、胃ろうと中心静脈栄養の学会。
医師、看護師、栄養士さんたちが中心の医学会。

会場は大雪を吹き飛ばすような熱気で一杯です。
正直、ここまで大きな学会とは思いもしませんでした。
凄い参加者数で、泊るホテルが全く無い金沢市内です。

初日の講演を聞きながら思ったこと。
抗がん剤治療中の栄養管理が重要であること、に加えて
栄養管理自体が緩和医療であるという考えを知りました。

あと、「在宅でも看取りができるんですね」とか
「在宅でも緩和医療ができるのですね」という
病院の先生の言葉に深く傷つき、夜は深く飲みました。

市民の言葉ならいざ知らず、大きな病院の大先生たちの
お言葉だったので、正直、エライことやなと思いました。
病院医と在宅医の文化の差は我々の想像を絶する世界です。

患者さんにとっては病院でも在宅でも、希望する治療が
ちゃんと受けられることが、もっとも大切だと思います。
しかし理想と現実は相当な差があることが分かりました。

病院の医師や看護師さんから見れば、在宅療養という
選択枝が無いことも、身をもって実感しました。
医療者でもこれですから、市民は言わずもがなです。

明日は、「日本人の胃ろうを問う」というセッションで
パネラーを務めます。
病院のスタッフに上手く伝わるかちょっと心配ですが。

医学会は、病院の会と在宅の会に大別されます。
それは、医師のみならず看護師も同じことです。
抗がん剤も別々に議論されているのは残念です。

来る3月30、31日に愛媛県松山市で日本在宅医学会が
開催されます。
もちろん私自身も参加していろんな役割を果たす予定です。

この会には、看護師さんやヘルパーさんや事務長さん向けの
セッションなども多数あります。
もちろん病院勤務者や一般市民の参加も大歓迎の会です。

1ケ月先の学会を今から楽しみにしています。
事前申し込みを活用ください。
詳しくは、長尾繰りりニックにメール下さい。

PS)
雪の金沢は、とても歩きにくいです。
積雪と凍結の両方で長靴が欲しいです。
それでも街は、活気に溢れています。