《1048》 釈迦に説法をしてきた [未分類]

昨日は、神戸と大阪で、2つの講演をしました。

介護施設職員への看取り講座と、
お坊さんへの、やはり終末期医療の話、です。

介護施設には、原則、「医療」はありません。
もしくは最小限に留まります。
ですから本来、看取りの場ではありませんでした。

しかし超高齢・多死社会を迎えて、介護施設での
看取りが大きな課題になってきました。
病院と在宅だけでは、看取りきれないのです。

しかし介護職と医療職には、相当な文化の差があります。
介護から見ると医療は、遠い世界かもしれません。
しかし必死で、医療についても勉強されています。

体温や血圧や酸素飽和度まで頼まなくても測ってくれます。
そして微熱や多少の高血圧があれば、私に電話をしてきます。
多くの場合、私は「少し様子を見て下さい」と言います。

介護施設に入所されている方がたは、もっとも天国に近い集団。
怒られるかもしれませんが、これは現実です。
しかし、なかなか簡単に天国に旅立てないのも現実です。

最期は救急車で病院送り、となる施設があまりにも多いからです。
介護施設の方針によって看取りへの取り組みが大きく異なります。
積極的な施設と消極的な施設。

それには様々な理由があり、看取りには様々な知識が要求されます。
その要点を、2時間タップリお話ししました。
本当は私が診ている施設の職員に聞いて欲しかったのですが・・・

実は、来週も全国規模の介護団体に同様の講演を2回します。
それだけ、終末期ケアや看取りに関心が集まっているのです。
私自身、この役割だけは最重要な使命と思い引き受けています。

さて、午後は、大阪のど真ん中にある北御堂というお寺で
お坊さんを対象に、同じような話をしました。
親鸞さんの仏像を背にしてお話しするのは緊張しました。

お坊さんには、死んでからではなく、生きているうちから
地域の人にもっと関わって欲しい、と要望を申し上げました。
まさに、「釈迦に説法」をやってしまいました。

介護施設スタッフもお坊さんも、「地域」と「看取りの文化」
という視点が必要な時代となりました。
次は、お坊さんと介護士さんを一緒にして講義したいなー。

そんな気持ちになりました。
お互いに得るものがあるんじゃないかな、とも。
お坊さんに介護職のメンタルケアをしてもらえるかもしれないし。

今日から3月です。
ほんの少しですが、春の気配を感じます。
今日からまた普通に戻り、タラタラと雑感を書いていきます。