《1049》 本を読んでから相談に来てくれれば… [未分類]

昨夜は日付けが変わる時間まで往診で走り回っていました。
毎日毎日、胃ろうや抗がん剤で悩む患者さんや家族からの
相談が多く寄せられ、できる限り相談にのっています。

しかし時間は有限ですので、すべてに丁寧にとは
とてもいかず、大変はがゆい思いをしています。
寄せられる相談の大半は、胃ろう、抗がん剤、認知症。

胃ろうについては、半年かけて本を書きました。
胃ろうという選択、しない選択」という本です。
12月に出たばかりの唯一の胃ろうの一般書です。

てっきりこの本を読んでから胃ろうの相談に来たのかと
思いますが、毎回、誰も読んでいないのでがっかりです。
また、いちから、本の内容を1時間かけて説明します。

病院の先生は、「胃ろうをするかどうか家族で決めてきて」
と言われますが、家族は「胃ろう」が何かすら分かりません。
病院の先生からもこの本を勧めて頂ければ非常に助かります。

行く先々で、抗がん剤の相談も待ちうけています。
闘病生活の長い経過を聞くだけで、20分はかかります。
それで、現在の抗がん剤の是非について意見を求められます。

これも大変時間がかかります。
是非、このアピタルのバックナンバーを読んで頂ければと思います。
以上の理由で、その内容も、早く書籍化できればと考えています。

あと多いのは、認知症介護の相談。
これも時間がかかります。
病気の話と介護の話と2つしなければなりません。

明日3月3日は、毎年恒例の「かいご学会イン西宮」が、
開催されます。
http://www.drnagao.com/pdf/lecture/20130303kaigo.pdf
あの「大往生・・・」の中村仁一先生が講演されます。

そのあと中村先生と私が放談することになっています。
「放談」とは、何を言ってもいいということ。
当然、過激な対談になると予想されます。

認知症の介護者が全国から集まります。
是非、お時間のある方は遊びに来てください。
主催は、NPO法人「つどい場さくらちゃん」です。

介護者にこのイベントの宣伝をしてきました。
しかしみなさんこう言われます。
「介護があるので行けません」と。

日曜日はデイサービスなどの受け皿も貧弱で
介護者は外に出にくいのです。
一番来て欲しい人が、気にくい現実に悩みます。

今日はこれから往診をして岡山市で平穏死の講演をしてきます。
その後、大阪で講演、宴会です。
明日の大一番があるので、夜は早めに切り上げます。