《1055》 映画「愛、アムール」にみる医療の不確実性 [未分類]

明日から本邦で公開予定の「愛、アムール」
というフランス映画について書かせて頂きます。
先日、試写会で見させていただきました。

カンヌ映画祭の1等賞と、アカデミー賞の外国作品賞を
受賞しています。
ちょっと地味な作品ですが、凄い賞をもらった映画です。

パリの高級住宅地を舞台に「病い」と「夫婦愛」と
「老老介護」、そして「親子関係」が描かれています。
以下、簡単にあらすじを紹介します。

仲のいいピアニスト夫婦の物語りです。
奥様がおそらく頸動脈の血栓除去手術の時に血栓が頭に飛び、
脳梗塞を起こして半身麻痺、車椅子生活になられたようです。

医療では、いくら努力しても結果が悪いことがあります。
また、思わぬ副作用やアクシデントで結果が変わることも。
それも含めての「医療」であると私は常常書いています。

どうやら、奥さんの手術は、結果が悪かったようです。
しかし、どうもそれを責めるようなことはされていません。
「もう二度と病院には行きたくない」とだけ言われました。

すなわち、まず医療の不確実性が描かれています。
主人公は決して、医療を恨んでいる様子ではありません。
しかし、病院とは縁を切りたがっていました。

最近、医療否定の本がベストセラーになっています。
この映画の主人公も医療には関わりたくないような。
日本とフランスも同じです。

いずれにせよ、老老介護が始まりました。
フランスの在宅医療、在宅介護が描かれています。
驚くぐらいリアルに。

フランスにも訪問看護師がいます。
しかし、とっても意地悪で日本の訪問看護師とは
月とスッポンぐらい違う事もよく分かりました。

(続く)