《1060》 少女の言葉 ―― 今、「無常素描」を観る(その1) [未分類]

震災49日目の被災地を描いた記録映画をご存知でしょうか?
被災地を描いた最初の映画のはずです。「無常素描」です。
実は私が企画して、私の被災地活動の後を辿った映画です。

この映画の中にある、会話を拾ってみます。

 祖母 「だっていつか必ずまたあるでしょ、こういう事が」
      だから、なるべく海の近くには住みたくないよね」

 孫   「でも、海好きだもん!」

これはヤラセでもなんでもありません。
孫とは、可愛い女子高生です。

岩手県釜石市の海辺の家で、祖母と孫の会話。
私と2人の雑談の断片です。

今、聞いてみると、孫は凄いことを言っています。

この家は海辺のすぐそばにありました。
その家の上に、一旦、大きなタンカーが乗っかったのです。

それでも、こんな会話が交わされていたのです。
そしてこの映画のラストシーンもこの少女です。

彼女は、海辺に住み続ける!と明言しています。
高台移転なんて考えていません。

理由は単純。
海が好きだから!

この少女の言葉が、いまもしっかり耳に焼きついています。
海が好きだというだけの理由で海辺に住みたい人もいます。