《1069》 「様子を見る=経過観察」という選択肢 [未分類]

老人施設からほぼ毎日、携帯に電話がかかってきます。

「Aさんの食欲が急に落ちたので心配です。
 今夜、食べさせたら吐きましたが・・・」

「感染性胃腸炎かな?
 無理やり食べさせたら吐きますよ。
 食べない時は一食、抜いてくださいね」

「先生、でも食べないと弱ってしまいます。
 今夜、食べなかったので無理やり食べさせました」

「じゃあ、とにかく明日まで様子を見て下さい」

「ええ、先生、明日まで放っておくんですか?」

「そうです。様子を見てくださいね」

「何かしなくていいんですか?」

「何をするのですか?」

「点滴とか・・・」

「はあ、患者さんの様子はどうですか?」

「見た目はいつもと同じですが」

「じゃあ、やっぱり様子を見てくださいな」

「先生、夜中に死んだら困ります!」

「死にませんよ。死んだら私の責任ですから大丈夫!」

介護職員は、ここまで話をしてようやく納得。

毎日、こんな会話をしています。
何故、こんな会話が必要なのか、考えてみました。

医療には、様子を見る=経過観察、という選択肢があります。
これも立派な治療方針であることは、看護師も知っています。

もしかしたら、介護には、「経過観察」という4文字が
無いのかな?
最近、そう考えるようになりました。

しかし、今晩の夜勤と明日の夜勤はまた別の人です。

折角いろいろ教えても、短期間で介護職員が
コロコロ変わる施設もあります。

医療の現場も大変ですが、
介護の現場はもっと大変なことになっています。