介護施設に行くと、毎回、質問責めにあいます。
- どうして熱が出たのか?
- どうして食べないのか?
- どうして腰が痛いのか?
いい加減な返事をしたら、介護職員は首をひねります。
- 発熱の原因をしっかり説明してほしい。
- 食べない原因は、ちゃんと把握してほしい。
- 腰痛の原因は、内臓疾患ではないのか?
様々な質問が飛び出し、まさに苦しい答弁となります。
「歳だからしょうがない」では、みなさん納得されません。
症状には必ず原因があり、解決方法があると信じています。
先日も、「急にお腹が痛くなった!」と緊急往診の依頼。
介護職員が腹部を手で押したら痛い!、のとことでした。
押さなかったらどうなのか、一応、聞いてみました。
押さなかったら痛みは無くて、普通に食事をしたそうです。
到着すると、排便の直後で、痛みは消失していました。
「腹痛=すべて異常」と介護職員は信じていました。
私は、病的な腹痛と、放置しても大丈夫な腹痛があることを
少し時間をかけて、介護職員のみなさんに教えてきました。
一番、厄介なのは、なかなか信じてもらえなことです。
介護職員がミニ医者化するのは仕方がないのかもしれません。
なにせ、そこは「無医村」ですから。
問題は、ミニ医者と本当の医者の意見が、全く合わないことです。
実は、お薬の処方を巡っても、両者の間には深刻な問題が生じます。