託老所という場所をご存知でしょうか?
第15回日本在宅医学会2日目の午後のシンポの
トリは託老所「あんき」の中矢暁美さんが登壇しました。
以下、学会の抄録から中矢さんの文章を転記してみます。
看取りをする場合、何が重要か?
- まずは、家族を看取るという気持ち
- 職員の、看取るという気持ち
- 医師の、本人、家族との看取り方についての度重なる情報交換
三者共有の面積を広げつつ、段階ごとにお互いの
共有が深まり広げる中で本人が主人公として、
なるべく本人の希望に沿いつつ家族の思いを残すことが
最小限になるよう、看取るまでの間をまわりで支えあうこと
看取った後の家族支援にも力を注ぐこと
以上が全文ですが、短い中に、全てが凝縮されていると
思いました。
本番ではさらに、以下のことを言われました。
- 地域とともに看取りましょう
- 地縁を作りましょう (グループホームも地縁である)
- 人は暮らしの中で死んでいくもの
- 看取りの問題はみんなで考える
- みんなが幸せになる看取りでないとダメ
- 遺体は、介護の通信簿
もはや、私の解説など不要ですね。
中矢さんは、施設での看取りの核心を短い言葉のなかで
見事に表現されました。
私は、1日中司会をしながら、午前中の病院や在宅での看取りと
午後の介護施設での看取りが、同じように人間の看取りなのに
なぜ、こんなに違うのだろう?とあらためて思いました。