《1081》 遺体は介護の通信簿 [未分類]

託老所という場所をご存知でしょうか?
第15回日本在宅医学会2日目の午後のシンポの
トリは託老所「あんき」の中矢暁美さんが登壇しました。

以下、学会の抄録から中矢さんの文章を転記してみます。

看取りをする場合、何が重要か?

  •  まずは、家族を看取るという気持ち
  •  職員の、看取るという気持ち
  •  医師の、本人、家族との看取り方についての度重なる情報交換

三者共有の面積を広げつつ、段階ごとにお互いの
共有が深まり広げる中で本人が主人公として、
なるべく本人の希望に沿いつつ家族の思いを残すことが
最小限になるよう、看取るまでの間をまわりで支えあうこと
看取った後の家族支援にも力を注ぐこと

以上が全文ですが、短い中に、全てが凝縮されていると
思いました。
本番ではさらに、以下のことを言われました。

  •  地域とともに看取りましょう
  •  地縁を作りましょう (グループホームも地縁である)
  •  人は暮らしの中で死んでいくもの
  •  看取りの問題はみんなで考える
  •  みんなが幸せになる看取りでないとダメ
  •  遺体は、介護の通信簿

もはや、私の解説など不要ですね。
中矢さんは、施設での看取りの核心を短い言葉のなかで
見事に表現されました。

私は、1日中司会をしながら、午前中の病院や在宅での看取りと
午後の介護施設での看取りが、同じように人間の看取りなのに
なぜ、こんなに違うのだろう?とあらためて思いました。