《1086》 頸椎捻挫で全身麻痺になった90代女性 ―― 施設入所者の転倒(その5) [未分類]

かなりの骨盤骨折をたった1日で乗り切った
90代の女性が、3カ月後に、また転倒しました。
今度は転倒時に、首を強く打ち頸椎を損傷したようです。

今度は、手足も動かなくなりました。
完全寝たきり状態です。
大小便もまったく分かりません。

かろうじて口がきける程度でした。
交通事故のムチウチの一番酷い状態です。
頸椎捻挫に加えて、頸椎が折れたのかと思いました。

ご家族は、今度は入院どころか検査も希望しませんでした。
前回同様です。そのまま施設で様子を見ることになりました。
今回は、3日経っても、飲み食いすらできませんでした。

家族に「頸椎骨折で死ぬかも」と説明をしました。
命を助けるためには、延命処置が必要であるとも。
しかし家族は、様子をみることを選択されました。

今度ばかりは、100%死ぬ!と思いました。
なにせ手足が動かず、食べることもできないのです。
「1週間で死ぬでしょう」との予測を、話しました。

何もしないで見送るのも可哀そうに思え、ステロイドを
入れた200mlの点滴を毎日することにしました。
私がいつも言う、「なぐさめの点滴」です。

転倒して5日目、少し変化がありました。
少しお水を飲んだのです。
少し会話もできました。

2週間目には、寝たまま、少しお粥を食べました。
それでも、まだ死ぬだろうと私は思っていました。
介護スタッフは三食つきっきりで食べさせました。

3週間目には、なんと、手足が少し動くようになりました。
その時点でもしかしたら死なないかもと、思い直しました。
4週目には、なんとか自力で寝がえりを打ち、驚きました。

(続く)