《1093》 母子関係のゆがみが何を招く [未分類]

遠野なぎこという女優さんは、母親から
愛されていないと感じながら育ったそうです。
その結果、上手に食べるという行為ができなくなりました。

「摂食障害」という病気をご存知ですか?
日々診療していて、結構、多い病気です。
上手く食べられないのです。

上手く食べられない、って??

健康な方は、そう思われるでしょう。
しかし若い女性には、摂食障害の方をたくさん見ます。
決して、稀な病気ではありません。

拒食と過食。
沢山食べては、すぐに吐き出すのが、過食。
ストレスを、食べては吐くという行為で代償しているのです。

ガリガリに痩せている10代の女の子が母親に連れてこられます。
手首を見ると、無数のリストカットの跡が残っています。
一部の女性には「食べる」という行為が難しくなっているのです。

食事のリズムが乱れると睡眠も乱れます。
先日、ある夜間高校でアンケートをとったら、
寝る時間が午後の2時という子供さんがいました。

15歳なのに、すでに立派な高血圧や糖尿病があります。
根本は、みんなメタボです。
その根幹を辿ると、やはり母子関係に突き当たります。

拒食も過食も、源は同じです。
遠野さんと同様に、母子関係に原因があることが多いようです。
幼少時に母親から上手く愛してもらえなかったり虐待されたり。

診察室では、表面的なことしか見れませんが、
カウンセリングを受けると、必ず母子関係のゆがみが出てきます。
摂食障害は、お薬ではなかなか治せない病気なのです。