遠野なぎこさんは、母親に愛してもらおうと
一生懸命に女優業を続けてきたそうです。
しかし母親は、なぎこさんを愛してくれませんでした。
「だって母親にさえ愛されたことがない私が、
男の人から愛してもらえるわけが、ないじゃない?
近づくと傷つけられる。傷つけられると傷つけ返して
しまう、そんな関係性はもう、母親だけで十分だ」
彼女の本の裏表紙の帯から引用させていただきました。
そういえば、そんな患者さんが毎日のように来られます。
母親との関係が上手くいかないことに端を発する症状。
母親との関係が良くない、愛されていないという子供たち。
その結果が、様々な行動として現れます。
虐待、育児放棄、家庭崩壊、不倫・・・・
摂食障害だけにとどまりません。
母親からの愛情不足は、思わぬかたちに変わります。
そして母親から愛されないと、他人を愛せなくなるのです。
彼女のように何人もの男性と付き合っても、
心は全く満たされないし、愛せないのです。
表面だけを見れば、摂食障害だったり男性関係が派手だったりで
様々な誤解を生むのですが、根っこを見れば
母親の愛の欠落であり、無意識にそれを求めているのです。
彼女の本を読みながら、同じように悩んでいる若い女性が
とても多いことにすぐに気がつきました。
母親の愛情不足は、厄介な心の傷を残してしまうのです。