《1099》 100キロ超える子、血圧200以上の子 [未分類]

高校生の健康診断をしていて、一番気になるのは
高度肥満者が多いことと、肌が荒れていることです。
男女ともかなりの比率で、肥満になっています。

体重が100キロを超える子や、血圧が200以上ある子、
なかには、血糖値が300も400もある高校生もいます。
降圧剤や血糖降下剤を高校生に処方するのは複雑な気分です。

皮膚の状態は、偏食や喫煙状況がよく反映されます。
野菜不足はミネラル不足を招き皮膚炎をおこします。
もちろんアトピー性皮膚炎の子供もたくさんいます。

どうしてこうなったのか?

詳しく聞きたいのですが、それは健康診断から外れます。
しかし雑談のついでに、質問してみることがあります。
まず、どんな食べ物が好きか?

するとフライドチキンやお好み焼きという答えが返ってきます。
飲み物では、コーラが一番にきます。
毎日、2リットルも飲む子供もいます。

何時に起きるかも聞いてみます。
すると、「バラバラ」という答えが一番多い。
敢えて聞くと、朝方と答える子供が大多数。

睡眠時間は意外に短い。
要するに夜更かしをして、あまり寝ずに、油ものを
好んで食べる子供は、みな肥満症になっています。

当たり前かもしれません。
しかし彼らは食生活があまりオカシイとは感じていない様子。
みんなが同じような雰囲気ゆえ、そうなのかもしれません。

高校生ですが、外食が多い。
外食と言ってもコンビニで買って、その辺で食べる。
いわゆるファーストフードを好んで食べていました。

どうしたら肥満症が解消するのかな?
そのうち、一人の生徒が患者として来院されました。
管理栄養士さんの食事指導を何度か受けて頂きました。

さらにやせ薬として防風通聖散とサノレックスを
飲んでもらってもなかなか、体重は落ちません。
体重計を買わせて毎日、乗ってもらいましたが改善しません。

あれこれやっているうちに高校生では遅いことに気がつきます。
では中学時代はどうだったのか聞いてみましたが、似たような食生活。
ならば、小学生から食育を始めないといけないのでしょうか。

専門家に聞くと、やはり3歳までの食育が最重要だそうです。
「三つ子の魂、百まで」という言葉の通り、
子供の時の食育が人生を決めてしまうのです。

となると、現在やっている特定検診(メタボ検診)では
到底、遅い! ということになります。
メタボ検診の対象者は、40歳以上なのです。

予防医学という観点からは、40歳では遅すぎるます。
やらないより、やった方が、いいのかもしれませんが、
どうせやるなら、早ければ早い方がいいのが食育です。

そこに「愛」があれば、さらにいい食育になるでしょう。

15歳の背中はいろんなことを教えてくれます。
ザラザラ肌を見るたびに日々の食事が心配です。
側弯や猫背などの骨格の異常も、気になります。

《PS》
今日は認知症学会の教育セミナーで缶詰めになります。
夕方からは、某医学書シリーズの編集会議に入ります。
なんと全10巻の医学書の総編集を依頼されています。