《1117》 お砂糖に依存している少女 [未分類]

「私は1日中、ジュースを飲んで暮らしています。
 先生、どうして分かるんですか?」

本人も母親もキョトンとしています。

「ジュースと娘のうつと関係があるのですか?」

「関係あるんじゃないかな、と僕は思っています。
 今から、ジュースを一切止めてくれませんか?」

「・・・・」

やはり止められないそうです。

「止めると、とてもイライラする」そうです。

こうした状態を「依存症」と言います。
脳内に「報酬系」という回路が形成されています。
ニコチンであったり、アルコールであったり、ジュースであったり。

説得して3日間だけ、できるだけジュースを
控えることになんとか同意いただきました。
精神科からの大量のお薬は、そのまま飲むよう指示しました。

とりあえず、強いイヤイラや不安を除くのが私の仕事。

ジュースには、お砂糖が一杯含まれています。
依存を形成することは昔から指摘されている割には
あまり知られていません。

帰りがけに、彼女にそっと聞いてみました。
「お母さんとは上手くいっているの?」と。
一緒に来ているので、聞きにくいのですが。

「今は、上手く言っています」と小さく答えました。
「今は」という言葉が引っ掛かりましたが、とりあえず
砂糖の視点からから、彼女の様子を見ることにしました。

注目すべきはとりあえず、愛より砂糖、です。