《0113》 台頭著しいARBという降圧剤 [未分類]

降圧剤には4系統ある、と書きました。
日本では従来から、カルシウム拮抗薬が頻用されてきました。

しかし最近は、ARBという系統のお薬が、メジャーになってきました。
ARBとは、アンジオテンシンという血圧を上げるホルモンの受容体
(AT1受容体、全身に分布)の働きを阻害するお薬です。

ARBが世に出て既に10年が経過し、日々、評価が高まっています。
現在、、日本では、6種類のARBが発売されています。
アピタルブログをお読みの皆様の中にも、きっとARBを飲まれている
方がいるはずです。
 ・ロサルタン
 ・カンデサルタン
 ・バルサルタン
 ・オルメサルタン
 ・テルミサルタン
 ・イルベサルタン。
全部、「……サルタン」となっています。
なんだか、昔の恐竜の名前みたいですね。

この、六つの「サルタン」は、さらに三つに分類されつつあります。
古典的ARBがロサルタン。
第一世代ARBはカンデサルタン、バルサルタン、オルメサルタン。
第二世代ARBはテルミサルタン、イルベサルタンです。

第二世代ARBは、糖尿病、心不全、腎不全にも効果があります。
メタボリック症候群に合併した高血圧に、多用されつつあります。
そのため第二世代ARBは、「メタボサルタン」とも呼ばれています。

ちょっと専門的な話になりました。
ARBという系統の中にも様々な特徴があるという一端をご紹介しました。

さて、現場の医師にとって、問題はここからです。
大変優れたこれらのARBに、続々と「合剤」が生まれてきたのです。
ARBと利尿剤との合剤やARBとカルシウム拮抗剤との合剤です。

病態に応じて、ARB単剤にするか、合剤を用いるかの選択になります。
患者さんにとっては、これまで2種類だったのが、1種類になるのは福音です。
上手に「合剤」を使うことが要求される時代となりました。