《1136》 朝起きたら左足が痺れて歩けない [未分類]

朝起きたら左足の膝から下の感覚が全くない。
痛みはほとんどないが、痺れて歩けない。
50歳代の男性が、足を引きずりながら初診された。

みなさんどんな病気だと思いますか?

タバコは吸いません。
酒は結構、飲みます。
痛風ではありません。

私は、さらに詳しく問診しました。
「朝起きたら」がポイントです。
神経難病ではありません。

リスクファクターが無いので
脳梗塞の可能性は低いです。
それに左膝から下だけと狭すぎます。

もう少し詳しく問診してみました。

「前の晩は、お酒を飲みましたか?」

「ええ、結構飲んでいました」

「変な格好で寝ませんでしたか?」

「そういえば、机で寝ました」

「机で??」

「本を読みながらそのまま寝てしまいました」

「足はどんな格好で?」

「足を組んだまま寝ました」

これで答えが出ました。
1分あれば、充分です。
MRIも不要です。

私の診断は、「腓骨神経麻痺」。

膝から下を動かす神経が伸びきったのです。
1週間もすれば自然に治るでしょう。
ビタミンB12でも出しておきましょう、と。

多分、正しいと思います。
(間違っていたら、ごめんなさい)

同じ患者さんが神経内科に行けば、どうでしょうか。
筋電図や脳派の検査が始まるかもしれません。

同じ患者さんが、脳外科に行けばどうでしょうか。
やはり、MRIからかもしれません。

では耳鼻科や眼科だったら、どうでしょうか?
さすがに神経内科か脳外科か整形外科に回すでしょう。

これを診療科を問わずにできるようにするのが、
プライマリケアであり、総合診療なのです。

とても大切なことです。
私自身ももっともっと勉強したいと思っています。