《0114》 実力に比べ出番が少ないβブロッカー [未分類]

降圧剤4系統の中の一つβブロッカーについて話します。
私は、研修医の時から、このお薬が大好きでした。
「切れ味鋭い刀」といった印象です。
切れ味がいいということことは、使い方を誤ると大変なことになるという面も。

その他の3系統が比較的穏やかな薬とすれば、これは劇薬かもしれません。
しかし、時と場合によっては、実にいい働きをしてくれます。

βブロッカーの最大の特徴は、心拍数を減少させること。
心拍数を減少させるとは、心臓を休めること。
心臓を休めるとは、長持ちさせること。
心筋梗塞後や慢性心不全や心筋症といった病態では、心臓を休めることが、一番です。
そこに、βブロッカーの出番があります。

しかし、実際あるはずの出番が回ってきていないのが実情です。
それは、この「鋭い刀」の扱いには高い専門性が要求されるからでしょう。
ちょっと、もったいない気がします。

一昔前まで、慢性心不全には、このお薬は、使用禁止(禁忌)でした。
ところが、現在、必ず使用すべき薬との位置づけに180度変わりました。
ただし、少量から開始し慎重に様子を見ながら徐々に増量することです。

高血圧症は、最終的に慢性心不全になります。
慢性心不全になると、回数で補おうと、心拍数が増加します。
どこかで、心臓を休める必要が出てきます。

βブロッカーの導入のコツは、専門医と上手に連携することだと思います。
心筋梗塞後や慢性心不全の方には、かかりつけ医と専門医が上手く連携
しながら、患者さんがβブロッカーの恩恵に与かれるようにすべきです。