《1148》 多剤投薬はいったい誰が止めるの [未分類]

お薬手帳は、大変便利なものです。
いつ、どこで、どんな薬をもらったか、
一目瞭然です。

数か所の医療機関がら、それぞれ数種類の
投薬を受けている方が、時々、受診されます。
平均4種類X5医療機関として、20種類。

それぞれ飲み方が違っています。
朝だけ、夜だけ、1日3回、週1回・・・
覚えるだけでも大変でしょう。

風邪で受診した患者さんが、こう言われました。
「先生、お願いですから、薬を減らして下さい」

「私が出したわけじゃないから減らせないよ」

「じゃあ誰が減らすのですか?」

「それぞれ、薬を出しているお医者さんです」

「そんなこと私は言えません」

「私には言えるのに、何故、言えないの?」

「言うと怒られるから。みんな必ず飲むように
 言われます」

「あなたは、風邪で受診したのですか?  
 お薬を減らすために受診したのですか?」

「お薬を減らすためです」

「・・・・?」

医療が臓器別縦割りになればなるほど、
こんなことが起きます。
かかりつけ医1本ならこんなにはなりにくい。

では、どうすればいいのか?

お薬は3種類までと決めたらどうか。

あるいは、年齢で制限してはどうか。

80歳以上になると、3種類までかと。

なぜ3種類かというと、それ以上になると忘れるから。
そんな?というお医者さんは、自分自身が20種類の
薬を飲んでみてはどうか。

いずれにせよ、超高齢社会における多剤投薬は問題です。
年を取れば病気が増えるのは当たり前。
大切なお薬だけ飲んでください。

薬が多いと思わぬ相互作用があるかもしれません。

とりあえず、優先順位をつけて帰ってもらいました。

でも、私がそんなことをしてもいいのかな?

誰が優先順位をつけるのかが、今後の大きな課題。

いずれにせよ受診時にはお薬手帳を忘れないでください。