《1166》 ヘルパーさんとお薬の関係は難しいテーマ [未分類]

先日、ある在宅患者さんのお宅を訪問した時に
先に入っていたヘルパーさんから質問されました。
その患者さんのお薬の飲ませ方についてでした。

カプセルのお薬を飲ます時、カプセルを外していいか?
カプセルには、2つの意味があります。
粉薬や液状の薬を、カプセルで包む場合。

もうひとつは、胃の中で溶けずに腸に到達させる目的で、
敢えてカプセルにしている場合です。
その場合、カプセルを外すと本来の目的から外れます。

もうひとつ、質問されました。
細粒のお薬を、胃ろうチューブから入れていいか?
これも難しい質問です。

ある薬の剤型に錠剤と細粒の2つがある場合があります。
一見、細粒の場合、水に溶かして胃ろうから入れ易そうです。
しかし、そうすると胃ろうのチューブが詰まることがある。

実は、錠剤を砕いたものを水に溶かして入れるのが正解。
これは、薬剤師さんに聞いて、教えて頂きました。
医者は、お薬について何でも知っているわけではありません。

在宅療養や施設介護の時代です。
病院は、24時間常に医療者がいます。しかし、
自宅や施設には、医療者はほとんど居るわけではありません。

日常のお世話をしてくれるのは、介護士やヘルパーさんです。
それらの介護者が、お薬を飲ませるのはできるのでしょうか?
私なりにいろいろ調べましたが結構、難しいと分かりました。

世には医療と介護があります。
医師や看護師は、医療者です。
介護士さんやヘルパーは、介護者です。

お薬の投与は原則、医療行為ですから、
医師や看護師に認められた行為です。
介護士やヘルパーさんはどうか?

一包化したものを飲ませるのはいいそうです。
しかしその他に関しては、医療行為かどうかの判断が
さまざまであり、実際はかなりグレーゾーンがあるようです。

では、薬剤師さんはどうでしょうか?
訪問薬剤指導の一環として飲ませる行為はOKでした。
また、血圧を測ってはいけないという法律はありません。

最近のヘルパーさんは血圧や酸素飽和度まで測ってくれます。
頼んでもいませんが勝手に測って、メールやFAXが来ます。
世の中、どんどん変わっています。

私が不思議なのは、家族はすべてOKなこと。
薬を飲ませるのも坐薬を入れるのも、インスリンを打つのも、
血圧も酸素飽和度も、時には点滴を抜くのもすべてOKです。

最近は、講習を受けたヘルパーさんが胃ろうの注入や
痰の吸引もOKになり、徐々に規制緩和が行われています。
しかし家族は、昔から、無条件でOKです。

さて、服薬という行為と、介護士さんやヘルパーさんとの
関係についていろいろ聞いてみましたが、
結局、良く分からないことだらけ。
世の中にはグレーゾーンがあったほうが便利な場合もあります。

わざわざ、こうして書かないほうがいいのかもしれませんね。
しかし世の中の変化に対応できるように、規則も柔軟に変更したほうが
患者さんが幸せになる場合がいくらでもあります。

私は、医療者や薬剤師さんとしっかり連携すれば、介護者も
もう少し上手に薬に関われるように規則を変えて欲しいです。
現時点ではヘルパーさんとお薬は、意外に難しいテーマです。