《1168》 その症状、もしかして薬のせい? [未分類]

あなたは、以下の症状のうち
ひとつでも心当たりがありますか?
それでお医者さんに行きますか?

  • ふらつく
  • 味が分かりにくくなる
  • 口が渇く
  • 尿が出にくい、便秘する
  • 眠れない
  • ボーっとする
  • よだれが出る

毎日、こんな訴えの方が何人も受診されます。

  • ふらつく    → 耳鼻科?脳外科?頭部CT?
  • 味が分からない → 血液検査で亜鉛をチェック?
  • 尿が出にくい  → 泌尿器科?
  • 便秘      → 消化器科で大腸がんの検査?
  • 眠れない    → 眠剤投与?
  • ボーとする   → 認知症?うつ?
  • よだれ     → 年のせい?(これを言うと怒られるが)

このように考えるのが、普通のお医者さん
なのかもしれません。

町医者の私は、まず、しつこい問診から始めます。
患者さんが怒りだすくらいしつこく、がポイント。

「どこか他のお医者さんにかかっていますか?」
「何か薬を飲んでいますか?」
「それはいつからですか?」・・・

「どんな仕事ですか?」
「残業はどれくらいしていますか?」
「奥さんとは上手くいっていますか?」・・・

高齢者なら
「つれあいは、ボケていませんか?」
「子供さんと仲良くやっていますか?」
「何か心配事はありますか?」・・・
根掘り葉掘り聞きます。

そう、上記の症状で最も多い原因は、
実は飲んでいるお薬の副作用なのです。
副作用の無い薬はありません。

しかしこう偉そうに書いていて時々、その問診を忘れて、
つい対症療法のお薬を出してしまうことがあります。
しかし、薬剤師さんが後から、そっと教えてくれます。

「先生、あの人、病院で出ているお薬を飲んでいるんですよ」

慌てて患者さんのお宅に電話します。

「○○のお薬の副作用かもしれませんから
 明日からちょっと止めてくれませんか」

1週間後、患者さんが笑顔で診察室に入ってきました。

「先生、あの薬を止めたら、治りました!」

後で薬剤師さんに「サンキュー」と言いました。
情けないことですが、医薬分業で助かりました。