《1169》 薬を飲んでいない夫婦 [未分類]

ご夫婦とも認知症の患者さんのお宅を訪問しました。
お二人ともお薬袋が、壁に掛かっています。
月曜日から日曜日まで朝、昼、晩、寝る前と袋がある。

その中に飲むべきお薬が、区分けして入れれています。
しかし2人とも全然、飲んでいません。
何故でしょうか?

二人とも日の感覚が無く、曜日で区別しても
識別できないのです。せっかく薬剤師さんが
一包化して訪問看護師さんが袋に入れても
患者さんが飲まなければ、全く意味がない
行為になってしまします。

その2人は介護拒否が強く、ヘルパーさんは週2日だけです。
日々の服薬管理は、ほどんどできいない状況です。
その上、お薬の中には食前に飲む薬も含まれています。

食前30分と、食直前の2種類の薬が3回処方されています。
糖尿病のお薬です。
もちろんそんな処方は、病院の糖尿病専門の先生からです。

血糖コントロールが悪いので、インスリンを提案されているそうです。
精神科からは、認知症のお薬が2種類、周辺症状を抑える薬も
出ていますが、それらも全部、飲まれていません。

それだけではありません。
転倒するたびに、救急車で整形外科のある病院に
運ばれて、毎回当直医に痛み止めを
大量に処方されて帰ってこられます。

訪問薬剤師の活用を勧めますが、受け入れません。
経済的には余裕があるのですが、500円のコストが嫌なのです。
年を取ると人が来る度、お金を取られるのではと疑心暗鬼になる。

そんなお二人がどうやって地域で暮らして暮らせるのでしょうか。
正解は難しいでしょう。
しかし地域包括ケアはこうした服薬管理を無視することはできない。

もし医師が必要と認めたら、訪問薬剤師指導の自己負担をゼロに?
あるいは、多剤投薬や多重受診に何らかの制限を?
いろんな考えが浮かびます。

今日は、55歳の誕生日。
いろんな方からお祝い頂き、この場をお借りして感謝申し上げます。
今日から、四捨五入したら60歳です。