《1177》 漢方が得意な薬剤師さんがいる [未分類]

昨日、大阪で講演をしていたら、漢方が得意だとおっしゃる
薬剤師さんから声をかけられました。
拙書「平穏死・10の条件」にサインも頼まれました。

彼女曰く、「高齢者と漢方は相性がいい」。
これには、意気投合しました。
このアピタルの第1160回に書いた通りです。

高齢者への多剤投薬の弊害があちこちで指摘されています。
副作用のリスクが高まる。
転倒のリスクが高まる・・・

多剤投薬は患者さんにとって何もいいことがありません。
しかしお医者さんは、ガイドラインに縛られているので、
どうしても多剤投薬になりがちです。

私は、高齢者の多剤投薬問題への処方箋のひとつは、
漢方だと思っています。
あるいは、「漢方的思考」だと思います。

よく、「病気を見て人を見ず」と言われますが、
「漢方的思考」とは、まさに人を見ることです。
全人的医療とも言われます。

薬剤師さんにも得意、不得意があります。
好き嫌いもあるでしょう。
西洋医学派と東洋医学派。

日本の医療は、1000年以上、漢方でした。
西洋医学が入って来てからまだ130年です。
歴史から見ると、日本の医療とは漢方の歴史。

漢方の好きな薬剤師さんも結構、おられます。
なぜ分かるかって?
私は時々、漢方の講演も頼まれてしているからです。

お医者さんよりも、薬剤師さんのほうが漢方に
熱心なかたが多いように感じています。
東洋医学と言ったほうが適当かもしれませんね。

すなわち、多剤投薬で困った時は、漢方の得意な
薬剤師さんに相談してみるのも一手かもしれません。
相談するのは、無料です。

私も患者さんから漢方を依頼されることがあります。
よく聞くと、かかりつけ薬剤師さんに助言されたと。
まさか怒ったりしませんし、さっそく試してみます。

こうしたことが可能なのも、医薬分業の効用かのかな。
すなわち薬剤師さんにセカンドオピニオンを聞いてみる
のも悪くはないと思いますよ。

暑い毎日ですが、くれぐれも脱水にご注意を。