《0118》 夏休みの読書感想文 [未分類]

東京タワーが眺められる某ホテルの喫茶室で書いています。
涼しくて、コーヒーがお代わり自由なので、快適です。
赤いタワーを眼の前にして、終戦記念日の重みを噛みしめています。

実は、小学校から高校まで、文章を書くことが、一番苦手でした。
まさか、こうして公に文章を書く日が来るとは夢にも思いませんでした。

小学校6年生の夏休みの読書感想文は、「知覧」という本についてでした。
鹿児島県知覧とは、終戦間際まで、若き特攻隊員たちが飛び立った場所。
知覧の史実について書かれたこの本は、子供の心にも強烈に響きました。

医者になって、はや四半世紀。
疲れた時に、ふと頭に浮かぶのは、あの「知覧」という子供向けの本の表紙。
特に、この季節のテレビの記録映像を見るたびに、さらに鮮明になっていきます。

あの若者たちの代わりに、何ができるのか?
あの若者たちに、恥ずかしくない日々を送れているのか?
あの若者たちに、笑われていないか?

正直な話、全く自信はありません。
医師として、どうしたら、患者さんや地域のために役に立つのか。
今後も、さまよいながら模索が続くでしょう。

「あの若者たち」と書きましたが、あれから、65年。
もし生きていれば、とうに80歳を超えています。
本当は、人生の大先輩たちです。

在宅患者さんの訪問先には、戦死された先祖たちの写真を大事に
飾っている家も結構あります。
80歳を超えた在宅患者さんに、その写真の「若者」を重ねて見ています。
今日ばかりは、戦争犠牲者に、感謝と哀悼の意を捧げたいと思います。