《1189》 溶け具合、飲みごこちもいろいろ [未分類]

従来の錠剤に加えて、口腔内崩壊錠が人気を集めています。
それに加えて、粉薬、ゼリー、ドライシロップなど
ひとつのお薬に、数種類の剤型がラインアップされている時代。

さて、口腔内崩壊錠にも、さらにいろんなタイプがあります。
唾液で溶けるスピードに相当な差があるのです。
あるお薬は、口に入れて10秒で全部溶けます。

しかしそのお薬のジェネリックは、もっと時間がかかります。
唾液量が減少している高齢者では、先発品とジェネリックの
溶け具合の差は歴然としているそうです。

あと、こんな患者さんもおられます。
「溶ける薬は頼りない」、あるいは、
「すぐに溶けるので飲んだ気がしない」と。

口腔内崩壊錠より従来の錠剤のほうを、希望されるのです。
理屈より感覚を重視するという方が、結構いらっしゃいます。
かくして薬局は、同じ薬に対して両方の剤型を準備します。

溶け具合、飲みごこちもいろいろなのです。

昔は、ひとつの薬で良かったものが、
現在では、ひとつの薬に対して、4種類の容量と
5種類の剤型、合計で20種類も置いておかないといけない。

もちろん、薬はすべて購入して支入れていますから、
最終的に廃棄することになるお薬も相当出て来ます。
ここが薬局の目に見えない、泣き所です。

便利な時代になればなるほど、コストがかかります。
コストを削減するためには、大型化、チェーン化して
デッドストックを減らす努力をしないといけません。

そうして、街の小さな薬局は、存亡の危機にさらされます。
大手大型チェーンに買収された薬局をいくつか見て来ました。
薬局も生き残りをかけて、必死のパッチのようです。
(編集部注:「必死のパッチ」とは、関西方面で使う「一生懸命」の意味らしいです)