《1198》 野馬追いと失われた街 [未分類]

福島県南相馬市で行われている相馬野馬追い
1000年以上も続く、相馬藩の武闘訓練です。
私は昨日、3回目の観戦をしてきました。

500頭近い馬に鎧かぶとをまとった武者が馬に
乗って疾走する姿は、見る人々を元気にさせます。
たくさんの市民とともに青空の下、楽しみました。

今年もここに来ると実にいろんな人と出会います。
そして新たなご縁ができました。
相馬野馬追いは、出会いの場でもあります。

昨年と同様、原発の警戒区域の中にも入りました。
南相馬市の野馬催事場から車で15分も走ると、
人が住んではいけない街が広がっています。

去年より、一般車両が入れる区域が広がっていました。
しかし幹線道路以外は警備員が立っていて入れません。
泥棒被害のためでしょうか。

道沿いに放射線を測ってくれる場所もありました。
みなさん、マスクをしていて異様な雰囲気でした。
やはりここはすごい被曝地なんだ、と思いました。

ゴーストタウン、消えた街、としかいいようがない。
ここにいた人たちは、いまどこにいて何を想うのか。
そんなことを考えながら、海岸線まで出てみました。

偶然、昨年と同じ場所に出て、写真を撮りました。
あとで見比べてみたら昨年と全く同じ光景でした。
陸も海岸線も海も時間が止まっている感じでした。

南相馬市市民は、子供を含めてとても明るく平常です。
しかしその会場のすぐそばから、もう人が住めない街に
なっている現実を、あらためて肌で感じてきました。

催事場の熱気と対照的に、人っ子ひとりいない街。
あの日以来、電車が走っていない常磐線の線路に
草木がぼうぼうと生えている姿はなんともいえません。

こみ上げてくる感情は、怒りと悲しみ。
どうしてこんなことになったのか。
天災と人災が入り混じった街と自然。

被災地に行くと、実にいろんなことを感じます。
息の長い支援をしなければ、という気持ちになります。
機会があれば被災地に行き、被災者とお話をしましょう。

被災者の生の声を聞きましょう。
おいしい野菜をネットで買いましょう。
被災地でお金を使いましょう。