《0120》 見直しが進む利尿剤 [未分類]

「利尿剤」の歴史は古く、40年以上に及びます。
昔は、よく使いました。
しかし、新しい系統のお薬の台頭ですっかり影をひそめました。

尿を沢山出して水圧を下げるという、極めて分かりやすい発想のお薬です。
しかしこの古典的お薬は、この数年、世界的に再評価されつつあります。
当たり前のことが、当たり前に見直された、のです。

安価安全効果もそこそことなれば、見直されるのも当然でしょう。
特に経済的に恵まれない国では、利尿剤が重宝されます。
日本においても、単剤、あるいは合剤として、大幅に見直されています。

欠点は、電解質が乱れやすかったり、尿酸値が上がること。
フルイトランやラシックスは、血清カリウム値を下げるし、アルダクトンAは、
反対にカリウムを上げたり、女性化乳房にも。

特に心不全で、ラシックスとアルダクトンを併用することが多いのは、
カリウムの副作用において、相殺関係となるからです。
ならば、一剤で済む便利なお薬として、ルプラックというお薬もあります。

昨今の不景気で、少しでも安くとジェネリック薬を希望する患者さんが増えています。
降圧薬として、利尿剤を選択することは、対費用効果の観点からも合理的です。

「高血圧は、どんなお薬でもいいから下がればいい」とも言われています。
利尿剤は、隠れたリバイバルスター、なのです。