《1200》 「がんの花道」が本日発売です [未分類]

2人に1人が、がんになり、
3人に1人が、がんで亡くなる時代です。
がんは、もっともありふれた病気です。

しかし家族の誰かががんになったら、その時から、
本人はもちろん、ご家族もパニックになります。
それって、がん=治りにくいという印象なのか。

  •  本人に告知はしないでくれ。
  •  効がん剤はやらないでくれ。
  •  治療に失敗したら訴えるぞ。

まだ何もしていないのに、家族はパニック状態に。
医者に怒りを撒き散らす家族も多くいます。
しかしまず家族への説明から始めないといけない。

家族ががんの治療の障害になっていることがあります。
一方、家族のおかげでがん療養が上手く行く場合もある。
要はがんの時代ではあるが、家族の時代でもあるのです。

  •  ホスピスという単語を口にしただけで、激怒した長男。
  •  緩和ケアという言葉を発しただけで、激高した長女。
  •  「平穏死」本をチラッっと見せただけで激怒した次男。

いろいろな家族がいます。
しかし患者さんが「平穏な生」を全うするためには、
いい意味での家族の力が必要な時代でもあるのです。

今日、『がんの花道 患者の「平穏生」を支える家族の力』
という本が世に出ます。がん難民コーデイネータ―の
藤野邦夫さんとの共著です。

花道という言葉には、二つの意味があります。
引退や引き際という意味と、
歌舞伎役者が舞台に登場する時の道という意味。

がんと言われても、堂々と花道を歩いて欲しい。
家族が、それを上手に支えて欲しい。
そうした願いを込めて花道という言葉を使いました、

大切なひとががんと宣告されたら、家族はどうすべきか。
本書の中に多くのヒントがあるのではないでしょうか。
これだけは知っておいて欲しいと思う事を書きました。

家族ががん療養の障害になっている場合がとても多い。
「平穏生」を妨げる主因が、家族である場合が多い。
患者の幸せを奪っているのは、常に家族なのです。

本人はいい人だけれど、家族がややこしいので
在宅主治医をお断りしたことが過去にあります
しかし肝心の家族がそれに気がついていません。

「あなたさえいなければ!」

心の中で何度、この言葉を呟いたことでしょう。
講演でこの言葉をいっただけで医療者はみんな笑います。
それくらい、裸の王様になっている家族が多いのです。

 「平穏死」という親孝行
 家族が選んだ「平穏死」
に続く、3冊目の“家族本”です。

家族の時代であると思います。
胃ろうの多くも、家族の希望。
でも、そもそも家族っていったいなに?

いろんなことを考えさされる本であると自負します。
本当は自分の患者さんの家族全員に読んで欲しいな。
しかし、そう言えないのでここで宣伝させてください。