《0121》 運動で血圧を下げる [未分類]

高血圧治療の基本は、まず食塩制限と適度な運動です。
運動と聞くと、いきなり、走り出す人がいて、慌てることもありますが、
歩くことで充分です。

現代人は、本当に歩かなくなりました。
私自身も、情けないくらい、歩いていません。
ゴルフの前には、まず歩く練習から始めます。

さて、歩くと本当に血圧は下がるのでしょうか?
興奮して逆に少し上がるのではないか?と、私自身も思っていました。

数年前、この実験となる貴重な機会がありました。
「脊椎ストレッチ・ウォーキング」という、河川敷を歩く市民イベントがありました。
私は、多くの市民の血圧を、歩く前後で測定しました。
ほぼ全員、運動後の血圧は見事に運動前より10くらい下がっていました。

よく「フィットネスクラブで測ると低かった」と言われます。
運動前なのか、運動後なのかで、その意味は違いますが、自分のデータを
調べると、いずれも低い傾向があるようです。

適度な運動は、副交感神経優位のリラックスした状態を作ります。
そうなると、睡眠中と同じように、血圧は少し下がります。

「毎日30分歩くと、血圧が平均5下がる」という研究報告がありました。
確かに日常診療で患者さんを診ていても、そのように実感します。

その他、歩くことは、血圧以外にもメリット満載です。
第一、骨粗しょう症の予防にもなりますね。
また、リラックス状態になり、いいアイデアが浮かんできます。
私もアピタル原稿に行き詰まったら、少しは歩くようにしてみましょう。