《1216》 知覧と「蛍」 [未分類]

昨日は自分自身にとっても長い1日でした。
父の墓参りのあと、テレビを見たり音楽を聴いたり、
そして本を読みながら休日を過ごしました。

あるテレビ番組で知覧から長い中継をしていました。
知覧とは、鹿児島県の薩摩半島にある町の名前です。
今では、特攻隊の町として知られています。

実は、小学校5年生の時の夏休みの読書感想文は
図書室にあった「知覧」という本について書きました。
子供時代の宿題の記憶で残っているのはこれだけです。

子供心なりに、その読書は強烈な体験でしたので、
11歳の時から知覧をよく知っていたつもりでした。
しかし昨日のテレビ番組には知らないことがあった。

特攻隊が生まれた背景をより知りたいと思いました。
戦争の本質、特攻隊の本質をずっと考えていました。
なぜ、多くの若者がああして散ることになったのか。

「永遠のゼロ」の著者の百田尚樹さんも知覧にいました。
彼は言葉を選びながら、冷静にコメントしていましたが、
根底は、戦争、そして若者の命への怒りでした。

先週末は、サザンオールスターズのステージを観ました。
「ピースとハイライト」という新曲の歌詞とステージの
横の大型画面に映された映像を忘れることができません。

小説「永遠のゼロ」は映画にもなり12月に公開予定です。
その主題歌を、サザンが歌っています。
「蛍」という曲は、はや何度も聴きました。

その「蛍」のモデルになった若き特攻隊員の素顔も
昨日のテレビで知りました。
このようなテレビは何度でもやって欲しいと思いました。

サザンはアジアでも人気があり、この「蛍」の歌詞を
巡っては海外でもいろいろと報道されているようです。
桑田さんの真意が、上手に伝わることを祈っています。

終戦の日が近づくと毎年、気が重くなります。
今年もかなりブルーな気分で過ごしています。
68年前の無数の犠牲者を想う時、胸が痛む。

なぜ、ここでテレビ番組や小説や音楽について書くのか?

それは自分自身が、いのちに関わる職業だからです。
膨大な数の命が、わずか68年前奪われたからです。
それも健康で、死ななくてもいいいのちが奪われた。

そこには、もう敵も味方もありません。
昨日、沖縄の女性に依頼されたように、平和を
維持することも医師としての使命だと思います。

そのためにも、事実を深く知ることが必要です。
自分の頭をふりしぼって考えるしかありません。
そのためには、知覧のことをもっと知らなきゃ。

当たり前のことが分からなくなることがあります。
自分はなんのために、何を目標に生きていくのか。
それを考えるお盆の週は、特別な1週間なのです。

《PS》
福島県から尼崎に避難していた方がたと
電話で話しました。
みなさんお元気でひと安心。
嬉しい知らせがありました。

この秋から、津波で流された自宅を新築するそうです。
もちろん親子リレーローンです。
それにしても、85歳で家を建てるとは超前向きな話。

「くよくよしていても始まらない。
あとどれくらいも生きないだろうが、
前を向いて一歩を踏み出す決心をした」と。
生かされている限り前を向くことを教えて頂きました。