《1226》 住み慣れた地域が「病院」になればいい [未分類]

一昨日は埼玉県所沢市で在宅医療の講演をしていました。
医慮と介護の多職種連携の勉強会の講師に招かれました。
約2時間話したあと、パネルデスカッションをしました。

認知症の方を住み慣れた地域でどう支えるのかがテーマ。
この勉強会は、今回が5回目だそう。
500人もの方が参加され大変活気のある勉強会でした。

感心したのは、この会に各団体のトップが参加していること。
市長さん、健康局長さんはじめ行政職も多数参加した上に
医師会長、歯科医師会長、薬剤師会会長、鍼灸師会会長も。

さらに介護関係の団体のトップだけでなく、訪問看護関係の
トップ、病院や施設の関係者そして市民も来られていました。
まさに多職種が大勢“まじくる“勉強会でした。

事例検討では、認知症終末期の患者さんが徐々に食べられなくなり
訪問看護師が毎日点滴をしている症例を話し合いました。
様々な意見が飛び出し、私自身もたいへん勉強になりました。

講演の中で何度も“まじくる”という言葉を使ったので
みなさんが、この言葉を覚えてくださいました。
懇親会では、みなさんがまさにまじくっていました。

これらのトップが全員揃った在宅医療の勉強会は、初めて見ました。
まさに地域が一体となって、地域での尊厳ある生活を
支援しようとしているように感じました。

国は「地域包括ケアシステム」という言葉を使っています。
わかり易くいうと、これは「住み慣れた地域で最期まで
自分らしく暮らせる仕組み作り」といった意味でしょうか。

そこには365日24時間対応の在宅医療はもちろん、
できればヘルパーさんにもお手伝いいただきたいもの。
24時間定期巡回、随時対応型のヘルパーさんです。

あるいは、地域に密着している急性期病院や慢性期病院、
老人病院や介護施設なども、みんな地域という仲間です。
さらに、サービス付き高齢者向け住宅も加わってきます。

昨日話題になった在宅患者紹介ビジネスは、公的保険の
精神に反しているだけではなく、地域包括ケアを無視して
いる点でも問題であると思います。

所沢市は池袋から急行で20分弱のベッドタウン。
人口は34万と尼崎の47万より少し少ない町。
所沢市は11の行政区に分かれているそうです。

そのそれぞれの小さな単位がひとつの病院でもあります
住み慣れた街全体を地域という病院として考える時代に。
超高齢化社会はそのようにしないと乗り切れないのです。

35年前、私は新座市というところに住んでいました。
所沢市の隣です。
懐かしい街並みを眺めながら、尼崎に帰ってきました。