「認知症と診断されたら、もう終わりだ!」
そうイメージしている方が結構おられます。
がんになったら終わりだと思っている人が
いるのと似ています。
認知症になって何もかも分からなくなるのは、
かなり末期になってからのことです。
それまでは、結構、分かっておられます。
パーソンセンタード・ケアをご存知ですか?
認知症に人の内面を理解し、尊厳を支え、
ありのままの姿に向き合おうという考え。
1990年代に英国の心理学者、トム・キッドウッドが
提唱した、認知症ケアの基本概念。
ちょうど私が開業したころです。
キッドウッドは認知症になっても、その人らしい
生き方を探ることが大切である、と考えました。
それぞれの自分の歴史があり尊厳があるのです。
長谷川和夫先生は、こう述べられています。
「相手の言葉をよく聴くこと」
「目を見て話すこと」
これは、その人の不安を取り除く方法でもあります。
不安を軽減して差し上げることが医療者の責務です。