《1238》 風邪が増え始め、気管支喘息を思う [未分類]

ちょっと寒くなっただけで風邪の患者さんが増加。
外来が少し忙しくなってきました。
なかには気管支喘息を合併した方もおられました。

気管支喘息は、気温がぐっと下がる朝方に起こる。
普段は普通に呼吸できるのが、しにくくなる発作。
息を吸う事はできるのに、吐くときにゼーという。

研修医時代は激しい喘息発作と毎日格闘していた。
しかし現在は、それほど激しい発作を見なくなりました。
何故なのか考えてみました。

喘息の治療薬が進歩したこともあるのでしょうか。
昔は飲み薬と点滴しかありませんでした。
しかし現在は、いい吸入薬がいくつも使える時代。

ステロイドと気管支拡張剤が入った薬を吸います。
朝と晩、発作がなくても定期的に吸うことが大切。
吸った薬はほとんど吸収されず全身を回りません。

それでも発作が起こる人には、
頓服用の吸い薬を併用します。
つまり、2刀流で、発作を抑えていきます。

最近では、同じ吸い薬を定期と頓服の両方に使います。
2種類あった吸い薬が、1種類でいける薬も登場した。
とにかく吸い薬の普及で、激しい発作が減っています。

医学の進歩は気管支喘息においても著しいものがある。

大昔は喘息で心肺停止の症例を時々、経験しました。
蘇生処置で生き返らせた人が数人、頭に浮かびます。
しかしそのようなことは、もうなくなりました。

風邪の話から、喘息の話に飛びました。
寒暖の差にどうか気をつけてください。
今日は、奈良で2つ講演をしています。