《1243》 在宅での結核が増えている [未分類]

先日、尼崎市医師会で結核の講習を受けました。
結核は古くて新しい病気。
最近は在宅現場での結核が増えているという話でした。

医療機関での集団感染や医療従事者が結核を
媒介することが、昔から知られています。
しかし普段は、忘れていることがあります。

2週間以上の咳を診たら、まずは結核を疑います。
必ずレントゲンを撮り、疑わしければ
痰の検査をすると、結核が分かります。

昨日は咳喘息の話を書きましたが、必ずレントゲンで
肺結核ではないことを確認しないといけません。
症状だけで咳喘息と診断することはできません。

痰に結核菌が検出できる人を活動性の肺結核と言います。
医療機関は保健所に届ける義務があります。
保健所は、家族や同居人の感染の有無を確認します。

開業して19年目になりますが、その間に
結核で保健所に届けた人が数名、おられました。
結構、大騒ぎになりますが、仕方がありません。

全員、半年くらいで治りました。
亡くなった方は1人もおられません。
結核の薬は、どんどん進歩しています。

結核といえば高齢者のイメージが強いでしょう。
しかし若い方もおられました。
10~30代の結核患者さんを診てきました。

一方、在宅患者さんのほとんどは高齢者です。
レントゲンを撮るとほとんどに結核の跡があります。
このように結核の既往のある人が要注意なのです。

というのも、昔の結核の跡の中には結核菌がいます。
いわば冬眠しているのです。
免疫能が低下した時に眠りから覚めることがあるのです。

なにはともあれ、頑固な咳を診たらまずは結核を疑います。
30年前も現在もこの原則は変わっていないようです。
そんなことを、叩きこんでくれた講習会でした。