《1244》 増えていると思える間質性肺炎 [未分類]

“間質性肺炎”という病気が増えています。
といってもピンと来ない方がほとんどでしょう。
肺炎は分かっても、間質性が難しいですね。

間質とは、ものとものの間、という意味です。
肺の場合は、肺胞と肺胞の間とイメージしてください。
その間にある線維が増える病気です。

線維がまた分かりにくいかもしれません。
要するに、スジです。
肺胞と肺胞の間にスジが増える奇妙な病気です。

スジが増えすぎて、正常な肺胞が壊されます。
レントゲンで見ると、肺の陰に網目状の影が重なります。
肺の下側から始まって上に上がることが多いです。

自覚症状は、息切れ、咳、痰などです。
気管支炎や咳喘息と間違いそうになります。
しかしレントゲンを撮ると一見してそれと分かります。

この間質性肺炎という病気には2つのパターンがあります。
肺にいきなり、この間質性変化が起きる場合(原発性)と
他の病気の症状として起きる場合(続発性)です。

後者の代表として、関節リウマチをはじめとする
様々な膠原病の合併症が有名です。
実に高頻度に間質性肺炎を合併します。

紛らわしいのは、リウマチの関節症状が出る前に
肺の病気が前面に出る場合があることです。
原発性かと思いきや、続発性だったという場合です。

この病気には、特効薬はまだ無いと思います。
気管支拡張薬やステロイド剤を
対症療法として使っています。

多くはゆっくりした経過を取りますが、時に短期間で
急速な変化がある時があるので注意が必要です。
短期間で急激な場合は、命に関わる場合もあります。

血液検査のKL-6という検査値は間質性変化と比例します。
3カ月に1回くらいの割合で測定し、参考にしています。
酷くなると自宅で酸素を吸ってもらっている方もおられます。

こう書いているのは、この病気が増えているように思うから。
何故増えているのか、正確な理由は知りません。
あまり知られていない割には結構、一般的な病気です。