《1250》 病院・クリニックを変えるのは患者の自由 [未分類]

フリーアクセスという言葉を聞いたことがありますか?
いつでもどこでも好きな医療機関を受診できることです。
国民皆保険制度の根幹をなすと言われています。

そんなの当たり前、と思われる方もいるでしょう。
そう日本では50年以上当たり前ですが、
日本以外の国では、夢のような話です。

風邪で大学病院にかかるのも自由。
テレビで観た心臓外科医にかかるのも自由。
1人目の医者が気に入らないならチェンジも自由。

外来診療だけではありません。
在宅医療の主治医も自由に変えられます。
患者さんは常に医者を選ぶ権利を有しています。

しかし、その権利に一部制限を加えようとの議論があります。
いきなり初診で大病院に行く人から好きな金額を取れます。
その金額を1万円にしようという話が新聞に載ってました。

軽症患者さんで大病院が溢れかえったら高度医療という
大病院がするべき本来の業務ができなくなります。
軽症患者さんは、まずはかかりつけ医との方向にあります。

とはいえ保険証1枚でフリーアクセスは素晴らしいことです。
家の近くにある医療機関を全部巡ることも可能です。
納得がいくまで、ドクターショッピングしてもいいのです。

ドクターショピングがいいって?

いや、それを勧めているわけではありません。
しかし世の中、お見合いしてみないと分からないことがある。
必要なお見合いのコストも社会保障費に含まれているのです。

お医者さんから見たら、患者さんに選ばれようという
意識が働き、技術の向上を目指します。
もちろん選ばれなくてもいいや、という先生もいますが。

節度ある競争意識は、全体として質の向上をもたらします。
商店街や食堂街を連想してください。
競争だけでなく、さらに連携というものが生まれます。

連携とは、お互いが連絡を取り合いお客さんに喜ばれること。
自分のところで手に負えなければ、他の店に紹介をします。
フリーアクセスは質の担保だけでなく、連携を促進します。

《PS》
今夜は金沢で講演します。
毎日のように終末期ケアの講演をしています。
台風が去り、久々に秋の夕暮れを味わってきます。