《1258》 故人の前で平穏死の講演 [未分類]

昨夜はある医療法人の理事長先生を偲ぶ会に参加しました。
その会の最後に、平穏死の話をすることを依頼されました。
生きている人の前ではなくて、亡くなった人の前は初めて。

そのような場でどんな話をしたらいいのか迷いました。
しかしその時に感じたことをそのままお話をしました。
平穏死の話をするつもりが平穏生の話をしていました。

その先生は、何年間かの療養生活を送られましたが、
最期まで食べることと旅行することを楽しまれました。
まさに尊厳ある最期の日々を送られていて嬉しかった。

生まれてから亡くなるまでの数々の思い出の写真や絵が
スライドショーで静かな音楽とともに会場に流れました。
どの映像も素晴らしいもので、心から感銘を受けました。

素晴らしい家族やスタッフにも恵まれていました。
医療人として理想的な人生であるとも感じました。
一人の人間として立派な人生を尊厳を持って終えられた。

会が終わっても数人の参加者とお話は続きました。
故人が私たちに新たなご縁を与えてくれたのです。
あの世からこの世にプレゼントをしてくれました。

仕事でもプライベートでも、お通夜やお葬式に
参列する機会が年とともに増えていきます。
しかし忙しくて行けないこともあります。

その点、偲ぶ会はいい。
会食しながら、いろんな人といろんな話ができます。
そこに「ご縁」を感じることができる場。

昨夜は、いろんな想いを新たにしました。
旅立たれた先輩の遺志を少しでも見習おうと思いました。
平穏死の講演というより、こちらが力を頂いた夜でした。