昨日は、東京・丸の内にある日本最大級の書店さんで
「抗がん剤10のやめどき」の出版記念トークイベントでした。
私が40分ほど、この本に込めた想いをお話ししました。
そのあと、胃がんで闘病中の知人とのトークを1時間しました。
ステージの上から見ていると、彼女の闘病記を聴いて
みなさん泣いたり笑ったり、凄く感動されていました。
質疑応答になると実際に抗がん剤治療中の方から質問がきました。
TS-1という抗がん剤を飲んでいた男性は、薬をやめたあとも
流涙という副作用に悩まされていると訴えました。
副作用は、薬を中止しても治らないじゃないか。
それを事前に知っていたら薬をやめていたのに、とのご意見。
抗がん剤の副作用情報をもっとしっかり伝えないといけない。
患者さんにいろんなことを教えられた1日でした。
終了後、喫茶店でみんなでさらに語りあいました。
若き女性の4人組がいました。
1人が私にこう言いました。
「私たち、みんなステージⅣの胃がん仲間なの。
長尾先生、私たち、胃がん顔してる?」と。
私は咄嗟に返す言葉が見つかりませんでした。
みんな元気で、普通に見えます。
しかしステージⅣと。
おそらく死を覚悟して生きている人たちなのでしょうか。
死を覚悟というか、日々、意識しているのでしょう。
もちろん、病気を克服できる可能性もあるでしょう。
しかし意識しているだけに輝いているように見えました。
昨日は、私が患者さんたちに教えられるばかりの日でした。
患者さんの言葉は重いです。
これからも患者さんの話をもっと聴かなくちゃと思いました。