《1262》 リリーちゃんの7カ月 [未分類]

舌癌で7カ月間寝たきりになっていた
リリーちゃんが昨日、亡くなりました。
在宅患者さんの犬の名前です。

昨年暮れに「余命1日」と宣言して10カ月も
生きていました。
今年の2月から完全寝たきり状態でした。

しかし7カ月間、食事介助で生きていました。
床ずれの処置も家人が一生懸命していました。
時々悲しそうに泣きますが、生きていました。

それにしても、余命予測がここまで外れるなんて。
生命力というものは素晴らしいと思います。
自然に任せたから予想より長生きしたのでしょう。

先日の講演会の後、獣医さんに犬の抗がん剤に
ついて質問されました。
答える前に、「え?犬にもやるの?」という感じ。

最近は、犬でもいろんな医療処置をします。

  • 高カロリー点滴
  • 胃ろう
  • インタフェロン治療
  • 抗がん剤
  • ……

その家の人間より高度医療を受けている場合があります。
医療費も人間よりすっと高い。
自己負担は100倍以上。

リリーちゃんは、獣医さんにかかっていませんでした。
犬のがんの自然経過を横から見ていました。
犬なので入院もなく、在宅看取りでした。

しかしリリーちゃんが人間だったらどうだったのか。
いろんな所に行って、いろんな処置を受けたでしょう。
いろんな想像をしていました。

在宅医療をしていると患者さんから多くを学びますが、
動物もいろんなことを教えてくれます。
動物のほうが幸せに見えることもあります。

今日から10月。
今年もあと3カ月かと思うと
月日が経つのは早いなと感じます。

先週から来ていた研修医君の研修も無事終了。
在宅見取りに関する感想と御礼のメールが届いたばかり。
この2日間に3名の方の見取りがありました。

まるで入れ替わりのように昨日は
4人の新規の在宅患者さんを依頼されました。
外来、定期訪問の後に、あちこち訪問をしていました。