《1266》 がんの親玉をどうやっつける?――日本癌学会で [未分類]

パシフィコ横浜で開催されている日本癌学会に行きました。
多くの癌患者さんを診てる関係で最新動向をチェックした。
たった1日でしたが自分にとって大きな収穫がありました。

癌学会で驚いたのは、ほとんどの発表が英語でなされること。
スライドも英語、講演も英語、質疑応答もすべて英語、
ポスター発表も英語で書かれているので時間がかかる。

最初は外人さんが喋っているのかと思いました。
もちろん外人さんも、チラホラ見かけましたが。
最近の若いお医者さんは、英語が上手な人が多い。

10以上の会場で、同時に発表が行われます。
うち日本語での発表は1カ所位の割合でした。
大半が、英語、英語の癌学会です。

さて、癌の基礎研究の発表をいくつか聞いてきました。
なかでも、がん幹細胞療法については詳しく学びました。
世界的な研究者に直接質問できるのが、学会という場。

がん細胞には親玉と子分がいます。
親玉のことを、幹細胞といいます。
会社でいえば社長さんと社員さん。

抗がん剤が効くのは子分だけで、親玉には効きません。
そこで残った親玉を、どうやって殺すかが研究されています。
ひとつは、親玉を外におびき出して、抗がん剤で叩く作戦。

おびき出すとは幹細胞を増殖期に「追い出す」とも言います。
動物実験ではたいへん期待が持てる結果が出ています。
はやく人間に実用化されることを願っている一人です。

がんの研究者はみなさんとっても若い。
一方、在宅をやっている人は結構年配。
世代の差も、感じてきました。

今週は毎日、がん患者さんのお看とりをしています。
毎日たくさんのがんと向き合っていますが、時には
基礎的な学会で勉強するのも楽しいなと思いました。

《PS》
今日は新潟ですが、明日は広島市で講演。
夕方からは、兵庫県赤穂市で講演します。