《1268》 兵庫県は広い [未分類]

昨日は兵庫県と岡山県の県境の野桑という所にある
特別養護老人ホームで看取りの講演をしていました。
医師、看護師、介護士、スタッフ、家族が対象です。

山陽新幹線の相生駅で降りて車で30分程、奥に入る。
田舎というか、山の中を通過してホームに着きました。
途中、野生の鹿が歩いていました。

運転してくれた看護師さんたちは全員ベテランさん。
若いころは大きな病院で働いていた3人組みと一緒。
なんともいえないおおらかな雰囲気に癒されました。

施設の中も綺麗でゆったりしていて和む雰囲気でした。
なんと入所者も一緒に講演を聞かれていました。
ただ、看取りの話なので、ちょっとやりにくい。

考えてみれば尼崎は兵庫県のいちばん東にあります。
対してここはいちばん西で、いわば端っこ同志です。
しかし兵庫県内の、地元での講演ということです。

しかしここに来たのは初めてで聞く地名も初めて。
こんなところがあることすら、全く知らなかった。
看護師さんの雰囲気も尼崎と全然違っていました。

兵庫県は広い!
同じ南部でもこれだけ離れていてこれだけ違う。
文化圏も生活圏もまったく異質です。

後期高齢者の医療制度は、都道府県単位です。
ですから尼崎もここも、同じ保険者でやっています。
しかしどう考えても両者は遠くて異質な感じがします。

「地域包括ケア」の時代が来ると言われています。
住み慣れた我が街がひとつの病院であるという発想の転換。
都道府県ではなく、市町村単位で医療介護を考える時代へ。

講演や学会でいろんな街に行くたびに日本は広いと思います。
昨日も新潟空港からの飛行機の窓から外を見ていると
長野県、アルプス山脈、富士山が、模型のように見えます。

しかし実際、下に降りてみると土地は実に広大で
様々な文化があり、国内でも知らない場所ばかりです。
死生観や看取りの文化も、土地によって全く違います。

その土地の実情にあったシステムを造ることは自然の流れ。
ゴルフで言えば、ローカルルールが増えるのは当然のこと。
そんな気がします。

今日からまた研修医君が来ます。
高齢者診療と在宅医療を教えます。
また忙しい一週間が始まります。