《1277》 台風のなかの往診で診た患者 [未分類]

昨夜は、台風のなか、深夜の往診をしていました。
まず、その家を見つけるのに一苦労でした。
雨と風でいちいち車の外に出にくいので大変です。

ようやく辿りついた家の奥には
痩せこけた女性がポツンと座っていました。
まだ50歳代。

2年前に癌の手術をして以来、
ずっと抗がん剤治療を受けてこられました。
しかし、すでに全身に転移しているとのことでした。

彼女は、痛みで顔が歪んでいました。
1週間、ご飯がまったく食べられないと。
フラフラ状態でした。

有名な大病院からは通常の痛み止めしか出ていません。
1週間前に痛みが強くなり救急搬送された時でさえ、
麻薬は処方されていません。

家族とも1時間ほど話しこみましたが、
本人は痛くてまともに話ができない状態です。
今後の麻薬の使い方を、丁寧に説明しました。

ふと、机の上を見ると私の本が置いてありました。
買ったけど痛くて読めない、と。
しかしそれを見て電話で往診を依頼してきたのです。

麻薬の処方、訪問看護の手配、介護保険の準備など
急いでやらないといけません。
台風の中、わざわざ往診をした甲斐がありました。