《0128》 高血圧と腎臓病 [未分類]

「慢性腎臓病」という病気をご存じでしょうか?CKDと言います。
慢性的に腎臓の機能が障害された状態のことです。

CKDでは、蛋白尿や血尿が出たり、血液検査でクレアチニン値が
少し高かったりという異常が認められます。
透析に至らぬよう、早期介入が啓発されています。

高血圧とCKDの関係が、特に注目されています。
高血圧から腎不全、そして透析となる人もいます。
これってあまり知られていないのではないでしょうか。

透析に至る病気で一番多いのは糖尿病です。
糖尿病以外では、高血圧が来ると思います。
高血圧は、慢性心不全やCKDにも至るのです。

腎臓病といえば、学校の検尿を思い出しますね。
蛋白尿の手紙を持った子供さんが来られたら、検尿と血液検査で
起立性蛋白尿なのか、慢性腎炎なのかを鑑別していきます。

慢性腎炎を疑ったなら、腎臓内科に紹介します。
なかには腎生検という検査が必要な子供もいます。
診断がつかないと治療に移れないからです。

大人ならCKDかどうか、またどの程度なのかを考えます。
血清クレアチニンが相当上がってからでは、遅いのです。
高血圧があるなら、血圧をしっかり管理することが重要です。

以前書いたように、ARBというお薬がCKDには有効です。
ARBの中でも、腎臓を保護する作用の強い薬を選びます。
たとえ血圧が正常付近であっても、ARBを使うこともあります。

透析になれば、年間数百万円もの医療費がかかります。
高齢化に伴って、新規の透析導入者が増加しています。
このままでは、医療費もパンクします。

だから、CKDを早めに見つけて、透析に至らぬような管理が必要です。
しかし、CKDは、痛くもかゆくもない、地味な病気です。
そんなCKDの管理も、町医者にとって重要な仕事だと思います。

高血圧で医者にかかっていても、検尿をするのはそのためです。
医者が忘れていたら、年1回ぐらいは、患者さんから要求してください。
蛋白や微量アルブミンが混じっていないか?と訊いてみてください。