《1282》 認知症の在宅は本当に可能か? [未分類]

認知症の人の療養の場所には方向転換しつつあります。
病院や施設から、地域、在宅へという大きな流れです。
もちろん本人・家族の意向や認知症の程度によります。

昨日、一昨日の市民フォーラムの狙いは認知症の理解でした。
認知症を正しく理解すれば、ケアのあり方も大きく変わります。
そして住み慣れた地域で暮らすことができるようになります。

私が診ている認知症の人は何百人もいます。
在宅でも100人は診ています。
その中でも最近、印象的な患者さんをご紹介します。

90歳代の男性は、徘徊等の周辺症状が目立っていました。
警察のお世話になることが何度もありました。
病院や施設に入りましたが、大暴れしました。

その方が3年ぶりに在宅療養に戻ってきて3カ月。
遠くに家族は居ますが、いつもは一人暮らしです。
はたして今回、見違えるように元気になりました。

かなりしっかり歩けるよういなりました。
食事も自分で食べれて、トイレも大丈夫です。
先日は、「帰る、帰る」と言って騒ぎました。

遠くの家族と一緒に、故郷に本当に、「帰って」みました。
するとそれ以来、「帰る」と言わなくなりました。
いつ訪問しても、楽しそうに笑顔で話をしてくれます。

末期がんに限らず認知症の人にも自宅効果は凄いと思います。
活き活きと自分らしく、楽しんで生活されています。
とは言っても、食事の供給や見守りが必要です。

ヘルパーが「24時間定期巡回、随時対応」で入っています。
地域包括ケアシステムの一環として、そのような制度がある。
この制度のおかげで、現在のところ、大成功しています。

施設から地域へという流れが、加速しそうな気がします。