《1287》 天然魚、養殖魚、放牧牛、そして野良犬 [未分類]

天然魚、養殖魚、そして放牧牛

グループホームと在宅の2種類の場において
認知症の人にリビングウイルのインタビューをしました。
その中で、いくつかのことに気がつきました。

グループホームにいる人の目と在宅にいる人の目が
異なっているように私は感じました。
同じ認知症でも表情がまったく違うのです。

腐った魚の目、という表現が昔からあります。
人間を魚に喩えたら怒る人がいるかもしれませんが。
天然魚と養殖魚に喩えられるような気がしました。

もちろん、在宅の認知症の人が天然魚で、
施設の認知症の人が養殖魚です。
とにかく目の輝きが違うのです。

あるグループホームのオープニング講演において
「是非、天然魚のような施設にしてください」と
わけのわからない話をしました。

するとある職員は、「大丈夫です。以前いたホーム
 では、昼食時におにぎりが飛びかっていました」
それくらい賑やかな昼食風景だ、という意味です。

認知症の人を施設から地域へ、という流れがあります。
その中で、グループホームは何を目指すべきか?
私は、天然魚、放牧牛を目指してほしいと願います。

人間を動物に喩えて申し訳ございません。
私自身は、尼崎の下町をうろつく野良犬だと思います。
時々、遠吠えしたり、噛みついたり、泣いたりします。